家づくりのポイント

「既存住宅からの建て替え」

　既存店舗併用住宅からの建て替えでした。以前の住宅では十分な販売スペースを確保できなかったことや洋菓子の厨房も若干狭いことなど改善の希望をお聞きし、合わせて３世代が同居する住宅としての機能性、暮らしやすさも求められていました。この敷地には建ぺい率50％容積率80％の制限がかかるために建物を建てない敷地の50％の空間の配置を検討し、ある程度まとまった面積を半中庭として囲い込み、この庭に面するように店舗の販売スペースと住宅の居間を配置するアイデアから基本計画を進めていきました。

　建て替えの場合はその敷地での暮らしを経験している分、これまでの暮らしの中で良かったことや建て替えによって改善したいところが具体的に言葉にできることでしょうか。それによってより明確に設計を進めていくことができます。

　打ち合わせを重ねながら３世代で暮らすための各部屋の配置も考慮しながら木造の架構の中で展開させていき、文字通り家の中心に位置するリビングダイニングには吹き抜けを、そこから各部屋へと広がりのある空間ができました。

T家づくりのポイント

「地域の材料で建てる」

埼玉県に建つこの家は軸組の材料から下地材、仕上げの板などを埼玉地域の材料を使っています。この家では特にお施主さんが県内のときがわ町の山でそこに生えている杉の木を実際に見て目の前で切り倒した材料を梁や柱に使っています。

「自然素材を使うコスト」

自然素材を使った家は突き板とビニールクロスの家に比べある程度コストがかかります。床や天井板には地元の埼玉県の杉板を使い、壁には塗り壁でなくクロス貼りにするなど、限られた予算の中で家づくりをしていくために仕上げ素材を選択するなどしてコストのコントロールをしています。

「吹き抜けのあるリビング」

コンパクトな家だからこそ空間のつながりを意識して、各部屋の開口部を開けることによって広さを感じられるよう計画し、床面積以上の広がりを感じられるようにしています。